不動産登記の一括申請について

芦屋の司法書士事務所「カルマリーガルオフィス」新人職員の中村です。
ブログを書き始めて3週間ほどになりますが、
これからは司法書士受験生に向けての情報も提供していけたらいいかなと思います。
まず初回は不動産登記の一括申請から勉強していきましょう。
そもそも一括申請は例外です。
不動産登記は一件一申請主義をとっていますから、
不動産が2つ以上あるならば本来は分けて別個に登記すべきなのです。
ところがそれだめんどくさいし、登録免許税も多く払わなくちゃいけなくなるときもあるので、
ひとつの申請書で申請してしまおうというのが一括申請です。
一括申請にはそれなりの要件があります。
例外ときたら要件が出てくるのは法律の基本的な流れですね。
要件は以下のとおりです。

管轄、登記の目的、原因、日付、当事者が同じであること。

これらは一括申請の大前提なのですが、
けっこう上記の要件を満たしていなくても認められるケースがありますね。
受験生には必須の知識である、共同抵当権、共同根抵当権の設定ですね。
この2つに関しては管轄さえ同じであればそれぞれの不動産について設定順位が異なっていてもOK。
さらに設定日付や設定者が異なっていても一括申請できちゃうんですね。
さらに要件が緩和されているのは設定だけではありません。
共同抵当、共同根抵当については移転、変更、抹消についても上記と同じことが言えます。

不動産登記の記述式において物件の管轄が同じであれば要注意ですよね。
設定の一括申請を間違える受験生はいないと思いますが移転、変更などはついつい分けて登記しちゃいそうになります。
さらに一括申請の緩和で多いのが名変・住所変更ですね。

登記名義人のAが平成28年9月1日に大阪から名古屋に引っ越してさらに平成30年9月1日に東京に引っ越した場合、一発で「平成30年9月1日住所移転」として大阪から東京への住所移転の登記ができます。

ここまでは受験生としては基本です。
さらにこんなケースも…

乙区
1番抵当権 大阪A
2番賃借権 大阪A

上記のAは同一人物だとしてAが大阪から東京に引っ越した場合も一発でAの住所変更の登記ができますね。
このように名変・住所変更の登記もかなり一括申請が認められます。