前回に引き続き、順位変更の勉強をしていきましょう。
この分野で1番重要なのは何といっても利害関係人でしょう。
ではさっそく見ていきましょう。
1番 抵当権 A
付記 1番抵当権譲渡 B
2番 抵当権 C
上記のケースでAとCが順位変更の合意をして順位を入れ替えるにはBの承諾が必要です。
BはAが配当を受けるのに優先してもらえたのがCが先に自分の取り分をもらっていくからですね。
よって申請人はA、C、利害関係人はBとなります。
仮に1番付記1号のBがAの抵当権の差押権者であったとしても結論は同じで利害関係人になります。
次の事例です。
1番 抵当権 A
付記 1番の2番への順位譲渡
2番 抵当権 B
3番 抵当権 C
このケースでBとCが順位変更をする場合、Aは利害関係人ですね。
AはBに後れて配当をもうらう立場です。
ところがそのBがCに後れて配当を受けるとなるとAは最後に配当を受け取ることになってしまいますからね。
次に順位変更の形態です。
ここもかなり柔軟に認められています。
1番 抵当権者A
付記1 転抵当B
付記2 転抵当C
上記のような転抵当権者同士での順位変更が可能です。
1番(あ)抵当権者A
1番(い)抵当権者B
このような同順位の(あ)と(い)の間で順位変更をすることもできます。
次に申請書関係です。
申請構造は合同申請になります。
ここは他の合同申請とセットで押さえておきましょう。
登録免許税は変更する権利の数×1000円です。
登記の形式は主登記で入ります。
非常によく似ている登記に賃借権の抵当権に優先する同意の登記があります。
申請構造以外は共通点が非常に多いので比較しておきましょう。
最後に順位変更の更正と抹消について触れておきます。
1番 抵当権 A
2番 抵当権 B
3番 抵当権 C
4番 ①②③順位変更
1番C
2番B
3番A
このような場合にA、B、Cで4番の順位変更の合意を解除した場合、、、、
5番 ①②③順位変更
1番A
2番B
3番C
というように新たに別個の順位変更の登記をやり直します。
合意解除ではなくそもそも4番の順位変更が実は2番がAで3番がBであった場合は更正の登記になります。
5番 ④番順位変更更正
2番A
3番B
申請人A、B(合同申請に注意)
合意解除でもなくそもそも4番の順位変更自体が無効(法定解除されたなど)のときは抹消の登記になります。
5番 ④番順位変更抹消
申請人A、B、C
順位変更は常に合同申請だということに気をつけましょう。